住民全員で取り組んだ大規模改修工事

サンマンション大塚管理組合
理事長  長友 敏郎
修繕委員長  溝口 代志生

マンションの概要

名称 サンマンション大塚
竣工年 1989年竣工
総戸数 36戸
構造 鉄筋コンクリート造 8階建て

大規模改修工事の概要

工事期間 2009年4月 ~ 2009年8月
工事内容 躯体修繕(ひび割れ・鉄筋露出・欠損)、PH及び屋上防水改修、共用通路・バルコニー・屋上階段防水及び長尺シート貼り、外壁塗装改修、外壁タイル貼り替え(東西妻壁全面)
エントランスホール内装改修、鉄部塗装塗り替え
駐車場舗装オーバーレイ、外柵フェンス修繕、駐輪場新設
設計監理 NPO法人宮崎県マンション管理組合連合会 建物コンサルタント会社 (有)円設計工房
施工会社 株式会社 三舟建設

住民から喜ばれ、住民も自信を持った工事

平成21年(2009年)4月12日(日)の安全祈願祭から8月8日(土)の工事完了点検の約4ケ月の工事期間を経て、新築のような容姿に住民は満足しました。外壁の古いタイルをすべて取り除き、新しいタイルを使い、マンション全体に落ち着いた茶色系統の中にピンク系色をおりまぜた色調にグレードアップした「サンマンション大塚」は、まぶしい夏の光の中で輝いていました。
 平成16年(2004年)5月、理事になったばかりの私たちは、周りのマンションが次々に大規模修繕工事を完成させていくのを見て、早く、なんとかして大規模修繕に取り組まなくてはという思いばかりでした。当時は何から手をつけ、計画や工事をどのように進めるのか、分からないことだらけでした。建物で必要な修繕部分等は、それぞれのマンションで違いますので、今回は、マンション住民の取組み状況を時系列にまとめました。参考にしていただけたらと思います。

20年目で初めての大規模修繕工事への大きな壁・壁

平成元年(1989年)12月に新築入居して15年が経過した平成16年(2004年)5月の総会で「大規模修繕計画」を議決し、計画へ踏み出しました。滞納金額(毎月のマンション全管理費収入の約4ケ月分)の多さ、修繕積立金(当時 1,300円~1,600円)の少なさ、住民の生活マナーの問題(ゴミだし、バイク・自転車の放置、自宅玄関前や内部階段への荷物の放置等々)、下水道事業負担金未納問題、建物の漏電対策、地デジ対応、インターネット環境への取組。「大規模修繕計画」に着手するには、これらの問題を解決する必要がありました。

問題解決へ向けての取組み

①平成16年12月、宮崎県マンション管理組合連合会への加盟
あまりの問題の多さにコンサルタントの必要がありました。専門的な知識とこまかな指導のおかげで、多くの問題を的確にスムーズにクリアすることができました。

 

②平成17年5月、防犯カメラ・フェンス扉の設置、古い遊具の撤去。
住民の方々が永くこのマンションに住み続けたいと思う要素の一つが安全なマンションでした。問題解決を優先すべきであり、資金も十分ではありませんでしたが、「大規模修繕」に向けて住民の協力を得る重要なポイントと協議しました。防犯カメラの設置後、当マンションの新たな購入・賃貸の方はカメラの存在が決め手となりました。

③平成18年1月、マンション見学会へ理事・住民の出席。以降3回出席。

④平成18年5月、定期総会にて修繕委員長就任。現在連続4年目。
理事長は、平成16年 5月から、連続6年目。
この時就任したほかの理事も全員、連続4年目です。
事業が停滞することなく遂行できたのは、理事の協力体制でした。

⑤平成18年8月、マンション管理セミナーへの出席。以降6回出席。

⑥平成18年10月、マンション管理会社を「㈱南日本環境センター」へ変更する。
臨時総会で、4社の中から決めさせていただきました。マンション管理は、人と人との繋がりを大事にする管理会社が必要です。

⑦平成19年1月、宮崎県マンション管理組合連合会建物診断保全部会へ調査依頼。

⑧平成19年4月、劣化状況を調査して、「大規模修繕計画」の長期計画を作成する。

⑨平成19年5月、修繕積立金の増額決定。
増額後の修繕積立金額 1,300円⇒13,800円。1,600円⇒14,600円と大幅増額。
この時期の未収入金額は、毎月のマンション全管理費収入の約1ケ月分まで減少していました。新しい管理会社と一緒に未納者への根気強い請求と、裁判所への調停申立を続けていきました。なにより変わったのが、住民への大規模修繕計画の理解が浸透して行き、1ケ月遅れの滞納者も減少していきました。

⑩平成20年7月、大規模修繕工事の開始を決定。
工事日程 平成21年4月~8月。総工費 5,500万円。

⑪平成20年9月、修繕委員会の定例会議開始。
以後、工事開始準備の修繕委員会を8回開催。

⑫平成21年4月、大規模修繕工事の開始。

修繕委員会の活動

平成20年7月に修繕委員会を設立し、毎月1回開催。工事が始まる平成21年4月までに8回開催しました。修繕委員会メンバーは、他の理事と同様に、マンション見学会等へ参加し大規模修繕について知識を重ねてきました。また、メンバーは各階(8階建)から必ず1世帯が参加し工事の進捗状況がチェックできるようにしました。9世帯で男性7名、女性5名の12名で年齢層も30歳代から80歳代までと幅広い参加となりました。その結果、防水・塗装・修理という単なる改修工事からマンションを快適で安全な住まいとして維持して行き、資産としての価値を高めるという基本的な検討ができました。

工事開始までの修繕委員会の活動内容

①住民アンケートによる不具合の抽出と改良部分の検討 (平成20年8月~10月)
予算の都合で、住民要望案を削除しなければならない事もありました。

②防水・塗装メーカーのヒアリングと選定 (平成20年11月)

③マンション見学会の実施(平成21年1月)
すでに完成したマンションの見学会が、検討会に大きく役立ちました。(百聞は一見に如かず)

④工事内容の最終決定(平成21年3月)

⑤施工業者(候補6社)の選定 (平成21年3月)
施工業者で特徴があり、自分たちのマンションにあった業者を選択することが重要です。

⑥住民説明会の実施 (平成21年4月)

工事開始後の修繕委員会の活動

①毎週土曜日10時より開催。この修繕委員会には、住民全員へ参加を求めましたところ、多くの住民の方々の出席がありました。工事の進捗状況の説明を受け、予算をにらみながら追加工事を計画していきました。

②マンション外壁の繊細なカラーの選択や、照明器具等の選択に女性メンバーが大きな力となり、住まいの機能を重視した選択となりました。

③住民からも、進んでいく工事で変化するマンションにいち早く敏感に反応して貴重な意見の提案がありました。早めの対応は工事の修正が可能です。

④工事に関して、住民からの苦情がほとんどなかったのも、この修繕委員会で住民との話し合いの機会があったからと思います。

大規模修繕工事が終わって

多くの住民が参加した大規模修繕工事でしたので、住民同士の交流も生れました。改修前は顔も名前も知らなかった住民が、今は立ち話も多くなりました。5年間の間に、市内一斉清掃等の行事出席者もほとんどの住民が出席するようになりました。大規模修繕工事の本当の意味は、住民の交流を深め、安全で快適なマンション生活を作りあげることだと思いました。多くの方々に感謝申し上げます。

Before After